コウシャチョーのブログ

コウはコウ思う

フェノトピアの話。「このゲームは難しい」。

みなさんこんにちは。

フライハイワークスの社長の黄です。

 

「フェノトピア」のローカライズ作業は、まず別の翻訳者が「1次翻訳」を行い、

僕がそれをベースに、ゲームプレイと共に、翻訳文章を全面的に調整する「2次翻訳」

を行う感じで進めてきました。

 

「2次翻訳」とともに、僕が「初見プレイ」をして、

翻訳内容や、口調や語尾を調整しながら、

このゲームを感じていくのですが、

 

フェノトピアは進めていくにつれて、

「このゲーム、PVで感じた以上にかなり面白いぞ…!」と思うのと同時に

「でも、そこそこ難しいぞ…!」とも思いました。



言っても、僕は令和のゲーム名人を目指している人間なので、

ゲームのウデには多少の覚えはあります。

 

最終的にはもちろんクリア出来るのですが、

その最中に何度も苦戦した箇所もありましたし、

倒すのに3時間ほどかかったボスも居ました。

(※当時のバージョンは詳細設定は無く、

タメながら移動することもできないバージョンでした。

ここら辺はまた後日詳しく書きます)



普段、YouTubeでゲーム配信をしていますが、

もちろん、「ゲーム大好き人間としての野望」の側面もありますが、

ゲーム業界にいる人間の端くれとして

「最近のゲームの感じを把握しておきたい」するという目的もあります。



たとえば、近年思うことは

・「昔のゲームはプレイヤーに対する<挑戦状>だったけど、最近は<招待状>」

・「昔のゲームは<難しい>のではなく<厳しい>だけ」

・「多少ローカライズが雑でも、みんなそれほど気にしていない」

…などなど、これもまた詳細は後日にしますね。



そんな中、当初のフェノトピアは、

後半、強い飛び道具を入手すると割といいバランスになるのですが、

「序盤で(ストーリー全体の5%未満で)あきらめる人多発するかも」とは思いました。

 

すぐに思い当たる点として

①バット攻撃が短い

②オートセーブが無い

③ライフ回復手段がゲーム中の飲食しかない

④初期ライフに比べてザコ敵が与えるダメージがそこそこデカい

 (1回もみくちゃにされるともうピンチ)

⑤最初のボスがそこそこ強い(特にピシっと来るやつ)

…などなど。

 

正直、皆さんの前に料理を出す前から、

ココは言われるだろうな、というのは大体想像できていました。

 

僕も初見時は最初のボスは3回以上はゲームオーバーになったと思います。

(「僕ですら」3回ゲームオーバーになったともいえる。)



その後、ストーリーが進み、村であることが起きて、

主人公ゲイルの大冒険が正式に始まるのですが、

 

その後の「ヒマワリロード」と「アータイの町」あたりまで到達してもらえれば

「多分8割がた最後までプレイしてもらえる」と思いました。

(僕自身も、ヒマワリロードを超えて、アータイの町に到達した辺りから「ローカライズ作業をやらなきゃ」ではなく「このゲームをもっと進めたい」に変わりました。)




では改めて【序盤(最初のボスを倒すまで)が中々な歯ごたえ】であることを

どう捉えるべきかを考えたんですが、

 

自分のゲームプレイ経験からして、

このゲームは多分「ゼルダシリーズ」を強く意識していると感じました。

(プレイすればそれほど分かりにくいことではないですが)



その時に思ったのは「ゼルダも最初はハート3つで結構ゲームオーバーになりやすい」し、

(「時のオカリナ」「GB夢をみる島」は特にそうだったし、BOTWも今思えば僕は序盤はボコボコ死んでた。)

 

そういう意味では「アリ(このままでOK)」なのかなと。

 

ただ、僕自身は「ゼルダシリーズ」すごい大好きなのですが、

全てのユーザーさんがゼルダシリーズをクリアできているわけではない、

という事も何となく認識しています。



また、個人的には、気をつけていることとして

「プロダクト性には口を出すが、作家性には口を出さないようにしている」

というのがありまして、(※後日詳しく…)

 

簡単に言うと「このボス難しい」とか「このギミック難しい」とかいうのは、

すごく主観的な物なので、軽々しく指摘するものではない、と僕は思っています。

(仮にそれが料理を出す前から言われると思ってたとしても)

 

なぜなら、仮に僕の意見に合わせて調整した結果、簡単すぎる、他とバランスが取れなくなった、等のことがあったら、責任を取れないというのもありますし、

そもそも、クリエイターの方が数年かけて調整してこの結論に至ったものかもしれないものを、参加して2か月ぐらいの自分が軽々しく否定していい物じゃないのかなという気持ちもあります。

 

僕がクリエイター側だったら、不快に思うかもしれません。

 

それこそ先方の方で「あの日本のKouってやつ何なの?」と思われてしまったら、

それこそ案件遂行に支障をきたします。



ドライな言い方をすると「僕の作品ではない」ので、「立場をわきまえる」ようにしているんですね。




ただ、このソフトは今回北米版が8月に発売し、メディアの評価としてよくあった声として「いいゲーム」という声はもちろんあるのですが、それ以上に「難しい」という声が多く、

それに関して原作のQuangさんも悩んでる様子が伺えていました。

 

(Phoenotopiaのスチームページから)

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(NintendoLifeのレビューから引用:

「Perhaps too hard for some」=一部の人には難しすぎるかもしれない)

https://www.nintendolife.com/reviews/switch-eshop/phoenotopia_awakening

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僕自身、超少人数でゲームをプログラマー件ゲームデザイナーみたいな感じで作った経験がありますので、分かるんです。自分の中では「イイ調整」をしたつもりなのに、いざプレイしてもらうと「わからない」「クリアできない」「操作難しい」と簡単に切り捨てられてしまう悔しさを(もっとまじめにプレイしてくれよ!、と)。

 

昔、あまりにも悔しくて人前で号泣してしまったこともあるのですが、振り返ってみると、あれは本当に調整不足だし、操作が難しかった。どれほどの思いが入っていようが、プレイヤーにはそんなこと関係なく、面白いものは面白いし、面白くないものは面白くない。そもそも面白ければプレイするし、プレイを続けないのは面白くないから。それだけの事。

でも渦中にいる時はそれを客観的にみることが出来なくなってしまうんです。




フライハイワークス創設以来、100個以上タイトル出してきたので、

多分「フェノトピア」はそういう類のケースかな…と思いまして。

それで、「少しだけ深入りしてみようかな…」と思いました。その時…




毎回長く書きすぎるとまた続けられなくなっちゃうかもしれないので、

また次回にしますね!

それでは!


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